【おすすめのオーダースーツ裏地は背抜き?総裏?】柏 オーダースーツ TAILOR N&Y
皆様こんにちは、TAILOR N&Yです!(^^)
本日はお客さまとの商談中によく聞かれる『裏地の仕様は背抜きと総裏どちらがいいの?』にN&Yなりの答えをお話していきたいと思います。
目次
『夏でも上衣の裏地は総裏でないと、スーツじゃありません』( ー`дー´)キリッ
事の発端は一人のお客様より頂いたご相談の『夏でも上衣の裏地は総裏でないとスーツじゃありません』からでした。
こちらのお客様は50代半ばですが非常に若々しく活動的な保険屋さんです。
いつもは某老舗オーダースーツチェーン店でスーツを仕立てているのですが、その老舗オーダースーツチェーン店でいくつかの不満がありTAILOR N&Yをご利用いただくこととなりました。
お話を伺うと、お店側からの『スーツはこうあるべき』というのが強すぎて、オーダーだからこそ自分の好みにアレンジしたいのに、それを受け入れてもらえないとのことでした。
そんな上から目線のお店があるとは非常にびっくりしましたが、なんとそのアレンジしたいカ所が『夏用のスーツは背抜きにしたい』という、非常によくあるご要望でございました(;^ω^)
私たちオーダースーツ業界の基本としては、確かに総裏をお勧めする傾向にあります。
その理由をとして、お話ししたいと思います。
総裏のメリットとデメリット
メリット:
◎表地の内側を着用者との摩擦から保護する役割がある。←これがオーダースーツ業界が総裏を基本として考える一番の理由だと思います。
◎裏地があることでシャツとの滑りがよくなり、着用感が増すため。
◎スーツの姿として理想的な後ろ姿を作れるため(背抜きだと体の凹凸が出やすい)
◎総裏にすることでジャケットの縫製部分を隠す事が出来る。
◎こだわりの裏地を施す面積が背抜きよりも格段に広がり、デザイン性が増す。
◎寒い時期にも裏地が一枚を入ることで暖を取りやすい
デメリット:
◎既製品スーツが春夏と秋冬で分かれる際に、秋冬は総裏となる。暑がりの営業マンの方などを中心に、少しでも涼しくしたい方には好まれない。
◎背抜きと比べると後ろからの見た目で、軽やかさに欠ける印象がある。
◎スリーピースの際はベストが総裏地の役割も兼ねるので、背抜きの方が一年を通しての着用期間が長くなる。
メリットとデメリットを比べると、総裏は機能的な面では長所になるが快適さの面では短所になりやすいかと考えます。
既製品のスーツでは春夏は背抜き、秋冬は総裏と単純に分けられますが、オーダースーツにおいてはそのあたりを考慮して、着心地と生地を保護する観点から総裏を進めることが多いです。
老舗の生地問屋さんに聞いてみた!
そんな中、つい先日お世話になっている生地問屋さん(銀座にある老舗の高級問屋さんです)に伺い担当の方と商談の機会がありました。
裏地の話になった際に、『上衣の裏地は総裏と背抜き、どちらがスーツの上着として適しているか。また、総裏にすることでどれくらい生地は保護され背抜きよりも長持ちするのか。』とストレートに質問をしてみました。
すると、以外な答えが返ってきました!
『基本的には総裏を進めます。しかしながら、総裏にしたことで背抜きよりも生地が保護されて着用期間が長くなるような試験データなどはいっさいありません。』
『世の中的にまだまだお客様はオーダーよりも既製品を着ています。その既製品が背抜きであることが原因で摩擦で生地が劣化してダメになるはほぼ聞いたことがないです。』
『既製品同様に、春夏は背抜き、秋冬は総裏で進めています。』
『お客様によっては紺無地スーツしか着用出来ない仕事の方もいるので、管理する上でも背抜きと総裏を使用する。』
などなど、オーダースーツの上着の裏地=総裏の概念を覆すようなアンサーが返ってきました!
お一人お一人のニーズに合った1着を仕立てましょう♪
結論、オーダースーツは『こうしたい』『ああしたい』を叶える場所だと思います。
どうしても販売員やフィッターはこうあるべきなど理論の押し付けや蘊蓄を語りがちになっていまします。
そうではなくて、せっかく来た頂いたお客様と一緒に楽しみながらその方にとっての最高の1着をお仕立てしていきたいなと思います(^_-)-☆
そんな風に皆様から愛されて、おすすめしてもらえるようなテーラーをN&Yは目指していきたいと思います!
それでは今回のブログは以上です。
最後までお読みいただきましてありがとうございます<m(__)m>